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最近の税制トピック3つをざっくり解説します
こんにちは。東京都千代田区で開業しています、税理士の竹岡悟郎です。
ここ最近、ニュースでも取り上げられている「ガソリンの税金の見直し」や「投資用不動産を使った節税スキームの問題視」、そして「令和8年度税制改正の議論スタート」など、気になる動きがいくつか出てきています。
今回は、そうした3つの税制トピックをざっくりまとめてご紹介します。
ガソリンの暫定税率が年末で廃止へ
物価高への対策として、ガソリン税の暫定税率(1リットル25.1円)を2025年12月31日に廃止することで、与野党6党が正式に合意しました。
いきなり小売価格がドンと下がるのではなく、補助金を使って段階的に値下げしていく方針です。
あわせて、軽油引取税の暫定税率(1リットル17.1円)も、2026年4月1日に廃止される予定です。
その一方で、失われる税収にどう対応するかという「安定財源の確保」については、今後1年ほどかけて検討するとされています。

投資用不動産を使った相続税対策に要注意
政府税制調査会では、「貸付用不動産を利用した節税スキーム」や「不動産小口化商品の贈与」といった、投資用不動産を使った相続税節税策が問題視されています。
11月26日の自民党税制調査会でも議論されており、**評価方法の見直し(=節税しにくくなる方向)**が検討されています。
相続税対策として投資用不動産の購入を検討している方は、今後の税制改正の動きに注意が必要です。
自民党税調で令和8年度税制改正の議論が本格化
11月20日、自民党税制調査会で令和8年度税制改正の議論が本格的にスタートしました。主な論点は次のようなものです(ごく一部を抜粋):
- 所得税:基礎控除の引上げ、NISA拡充、食事補助やマイカー通勤者の駐車場代の非課税枠、住宅ローン控除の延長・拡充
- 資産税:事業承継税制の見直し、貸付用不動産スキームの節税防止
- 法人税:研究開発税制の見直し、30万円未満の少額減価償却資産特例の拡充、新たな投資促進税制
- 消費税:インボイス制度の経過措置見直し、海外ECの少額免税見直し
昨年の令和7年度改正はスケジュールが遅れましたが、今回は今のところ例年並みのペースで進んでおり、12月12日頃に税制改正大綱が公表される見込みとされています。
もっとも、維新・国民民主・公明党などとの協議次第では、公表がずれ込む可能性もあります。
ざっくり言うと、
- ガソリン・軽油の暫定税率は廃止方向
- 投資用不動産を使った行き過ぎた節税は締め付けの流れ
- 令和8年度税制改正の議論が本格化
という状況です。
実務への影響は、今後公表される「税制改正大綱」の内容を踏まえて、あらためて整理していきたいと思います。

